Dubarryのブーツが世界で愛される理由。

デュバリーの由来
デュバリーは、1937年、地元の商工会と、英国靴製造の本場である英ノーザンプトンの一家との合弁会社として設立された。ヨーロッパ大陸的な雰囲気、いわゆるコンチネンタルの風合いを求めて、ブランド名はフランスの貴婦人であり、魅惑的な女性の代名詞「マダム デュ・バリー」にちなんで名付けられた。
Gore-Tex セーリングブーツのパイオニア
そこから数十年にわたりレザーモカシンデッキシューズの生産に特化していたデュバリーは、1970年代までにはセーリングシューズのブランドリーダーとしての国際的な地位を築いていた。その後1990年代にはGore-Texライセンスを取得、セーリングシューズブランドとしての知見や技術を活かし、当時世界初となる、Gore-Tex搭載のセーリングブーツ「Shamrock」を発売。瞬く間に看板商品となる。このShamrockはブラッシュアップを繰り返しながら、今日も過酷な海上で闘う、世界のセーラーたちの足元を支えている。


機能性と耐久性
こういった経緯で、このコンチネンタルでありながらもタフなブーツが産まれ、その後も数々の名作が誕生していくわけであるが、このデュバリーのブーツ、どこがすごいのかというと、やはり本革でありながら完全防水を実現した、その技術力の高さである。厳密に言うと、本革で防水、というのはGore-Texを使用すればそんなに難しいことではないのだが、過酷な状況下に耐えながらも非常に長持ちする本革防水ブーツ、というとDubarryを置いて他に類を見ない。
その大きな理由として、ポイントは2つある。
[1] 乾きやすく、硬くなりにくい「DryFast-DrySoft」レザー
ブーツ全体に使用されているのは、世界的な名門タンナー・英国ピタード社のWR100Mirapel 通称DryFast-DrySoft レザーで、水に浸かることを想定して開発された画期的なレザーである。普通の革は通常、水に濡れたあと放置すると、硬くなりひび割れてしまうため、保湿をこまめに行う必要がある。
だがこのレザー、濡れても乾きやすく、その後放置しても硬くなりにくい。乾きやすく、硬くなりにくい、ということは、水に強い機能性の側面と同時に、簡単な手入れで長持ちするということでもある。また多くのセーラーに「Dubarryの革は本当に長持ちするね」と言っていただけるが、ヨットほど過酷な環境に耐え、長持ちするということは、他のどんなアウトドアシーンにおいても、突出した耐久性を発揮するということでもある。


[2] 射出成型されたミッドソール
Dubarryはその長い経験から、ソールとアッパーを、接着剤による接着ではなく、ソールそのもので革を包み込むように射出成型している。
これにより、密封性、堅牢性、グリップ力を完璧なものとしている。
デュバリーブーツの美しさ
やはりなんといってもDubarryの大きな魅力は、その何とも言えぬ美しさである。無骨なヌバックと滑らかなスムースレザーの組み合わせ。革の品質もさることながら、そのヨーロッパ独特の染料がもたらす色合いが、日本やアジアの物にはない、優雅なコンチネンタルの雰囲気をまとっている。また素材を本革にこだわったのも、機能性や耐久性と同じぐらい、ビジュアルを重視するあたりにヨーロッパの美学を感じさせる。また元より長く使うことを想定されており、使い込むほどに違った味わいを醸し出すのもまた美しい。そう、デュバリーの製品には、古くからSDGsの考え方が根付いているのである。
